少しだけ、馬鹿で湿っぽい話を

オチ無し。
久々に、自宅で酒をあおっています。
ここ最近は金も無く気分も乗らないので自宅酒はしてなかったのですが、なんとなく飲みたくなったので。
レミーマルタンのXOスペシャル。ネット上では大体7000円ちょいするものです。
保管状態が悪く、コルクもボロボロで酒に混入したりアルコール分が飛んだりしていますが、それでも重厚な甘みと風味を感じることが出来ます。


このお酒は父方の祖父から貰いました。
帰省して祖父の家に行ったところ、未成年の頃には背景にしか見えなかった棚に置いてあるのはレミーマルタンカミュのXO、ナポレオン等々…。
私はご存知、打算にて生きるクソ野郎。
(´-`)。o○(お祖父ちゃんももう歳だ、まったく開けてないこの酒を今から開けることはあるまい。)
との思いで、お祖父ちゃんに棚にある酒の話を振りましたとも。
答えは予想と違わず、「おぉ、お前酒飲むのか。いいぞ、そこのもってけ」。
聞くと祖母との海外旅行の際に、空港で免税品として買ったとか。
確かに昔から部屋に掛かっている多くの航空機の写真は気になっていたわけですが。
(今思えば私が空に憧れを抱き、航空部に入る遠因となったのはこの祖父の写真かもしれません。)
とにかく、そうして私は懐を痛めることなく、レミーマルタンを持ち帰ることに成功したわけです。
……この際、帰省にかかる交通費、時間(そのときは東京から実家の宇都宮まで原付で6.5時間)は勘定に入れないこととします。
そうして手に入れた酒を貧乏学生である私は「高い酒だからゆっくり呑もうね!」と酒棚の奥にしまい込んだわけです。
詳しくは覚えてませんが、大体2〜3年前でしょうか。


その祖父が、2月26日の昼過ぎ、亡くなりました。
前日に肺炎にかかり、その連絡が私にきたのが亡くなる1〜2時間前。急逝でした。


件の祖父の思い出など、数えきれるものではありません。
祖父は非常に優しい人でした。
歳を経る毎に「私は祖父のように歳を重ねたい」と感じるようになっています。
それほど、お世辞など抜きにしても魅力的な人でした。
白髪をオールバックにまとめた、小粋な老人でした。


今日、何故か、全く意味も無く酒を飲みたくなりました。
最初はいつも通りI.W.ハーパーを呑んでいたのですが、それがこの貰った酒を思い出すきっかけになりました。
きっと意味は無いでしょう。酒を飲み始めたのも偶然だったんだと思います。


今日、通夜があり、明日が告別式だそうです。
私も帰省します。祖父を見届けるために。


お祖父ちゃん、ありがとう。おやすみなさい。
レミーマルタン、もうだいぶ呑んじゃったけど、大事にします。