"ちきゅう"
"ちきゅう"が、ありました。
"ちきゅう"は、おもいました。
しょくぶつを、つくろう。
"ちきゅう"は、しょくぶつを、つくりました。
"ちきゅう"は、おもいました。
どうぶつも、つくろう。
"ちきゅう"は、どうぶつを、つくりました。
"ちきゅう"は、おもいました。
人間も、つくろう。
"ちきゅう"は、人間を、つくりました。
しかし、すぐに、"ちきゅう"は、こうかいしました。
人間は、しっぱいさくでした。
"ちきゅう"は、人間が、うっとうしくて、たまらなくなりました。
"ちきゅう"は、どうすればいいか、かんがえました。
ながいあいだ、かんがえました。
そして、きめました。
人間を、ころそう。
ですが、人間をみんなころすのは、たいへんそうでした。
"ちきゅう"は、またかんがえました。
じっくり、かんがえました。
ひとつ、めいあんが、おもいつきました。
"ちきゅう"は、人間がすみやすいように、かわりました。
人間は、ふえつづけました。
"ちきゅう"は、がまんしました。
それでも、人間は、ふえつづけました。
それでも、"ちきゅう"は、がまんしました。
人間は、ふえすぎました。
こんどは、人間は、おたがいに、ころしあいはじめました。
人間は、はんぶんに、へりました。
さらに、はんぶんに、へりました。
そのうえ、さらに、はんぶんにへりました。
いつしか、よにんになり、
ふたりになり、
ひとりになり、
ついには、人間は、いなくなりました。
"ちきゅう"は、かけに、かちました。
それからは、
"ちきゅう"は、いつまでも、しあわせに、くらしました。